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執筆者の写真NPO法人納骨支援の会

10年目の新たな永眠場所

 2020年の総務省の発表では、2019年の日本の外国人人口は過去最高の287万人になったそうです。数字だけ見ても多いと感じますが、広島県や大阪市の人口と同じくらいと言われると更に分かりやすいのではないでしょうか。国籍別では中国、韓国、ベトナムの方が上位を占めていて、その3カ国の出身の方で287万人の約半数強になります。永住者の方々はそれぞれ志を胸に母国を離れ日本に来て、様々な業界で活躍しています。

 何の話なの?と思われた方へ、そうです、今回は永住者の方の納骨について投稿したいと思います。


1.中国出身の永住者

2.気持ちの整理に10年

3.中国の葬儀≠日本の葬儀

4.故人を偲ぶ気持ちは世界共通


1.1月下旬に「ネットで見て問い合わせしました」と、明らかに若い声の、ほんの少しだけ特徴がある話し方から、一瞬間違い電話かなと思った記憶がありますが、「母の遺骨の納骨場所を探している、母は中国の出身」との内容でした。

2.10年前にお母さんが亡くなり、ずっと手元供養していることなどをお聞きし、色々な事情があることや、思い出や悲しみも深かったのではと感じました。更に、永住者の方でも、母国の地で眠りたいと話している方もいらっしゃるので、その辺りも色々重なり、気がつくと10年経っていたのかもしれません。1つ言えることは、思い出や悲しみ、そしてその他引っかかっていた事に整理がついて「きちっと供養してもらえる場所に永眠させてあげたい」と一歩踏み出す事ができたことではないでしょうか。最初の一歩(First step)は誰もが経験していることですが、人によって難易度も違い、壁の高さも違います。でも日本人も永住者も共通することは、誰だって最初の一歩から始まることです。

3.「世界お墓巡り」にも掲載していますが、国や宗教によりお葬式やお墓はそれぞれ違いがあります。近年は世界的に無宗教者が増えている傾向で、中国も当てはまります。仏教のイメージが強い中国ですが、キリスト教、道教、イスラム教の方もいらっしゃいます。また近年中国ではお葬式は簡略化が進み、主に葬儀場で安置された後そのまま式が行われ式に僧侶は出席しないなど、式自体はあっさりしたものが多いそうです。遺骨は3年間納骨堂に預けられその後風水によりお墓へ埋葬するなど、日本とは違うので、中国に限らず、もしどこかの国で葬儀に出席するとなった場合は事前にその地域のお葬式について調べておくとよいかもしれません

4.その方から感謝の手紙を頂き、日本人以上に誠実で、その方の心の優しさ、そしてやっと安心できた気持ちが伝わってきました。「日本で眠りたい」そう生前でお母さんがおっしゃっていたのかもしれませんが、無事納骨が終わり故人もご本人もほっと一安心なのではないでしょうか。

 多様性の時代で、葬儀やお墓など故人を弔う方法や形は変化しています。でも故人を偲ぶ気持ちは今も昔も変わりません。例え国籍が違っても故人を偲ぶ気持ちは世界共通ですね。

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