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執筆者の写真NPO法人納骨支援の会

想定外の出来事

 日常生活で突然起こる想定外の出来事、その出来事にもよりますが、あるはずのものがない、または過去に自分の眼で見て確認した訳では無いが昔からそこにあるのが前提なのに実際は何も無かったとしたら、あなたならどうするでしょうか?

 以前「墓じまいで遺骨なし」という記事を投稿をしましたが、今回もお墓に遺骨が無かった方の事例です。


1.墓じまい

2.想定外の出来事

3.自然に還る共通点と火葬の矛盾点

4.堆肥葬


1.「京都にあるお墓の墓じまいを予定していて2体の遺骨を永代供養したい」と連絡頂き、手続きや送骨セットの準備を進めていました。祭祀承継者は高齢なので代わりに長女の方が墓じまい業者や納骨先を段取りされている様子でした。改葬許可証の申請も済まされ、墓じまいを来週に行うとのことで送骨セットをお送りさせて頂きました。


2.墓じまい当日の午後に電話があり「墓じまい業者に掘ってもらったが遺骨が見当たらない、お墓の中に遺骨があり

ませんでした」と驚きを隠せないご様子でした。私も「えっ」と言葉が止まり、その一瞬の短い時間の中で「どういうこと?遺骨が全く無い?骨壷は?土葬なの?」と言葉がぐるぐる回っていました。

 結局、お墓の土を少量持ち帰られ自宅に撒いて供養する*1とのことで、納骨予定先の住職さんにお話しして納骨料はご返金させて頂きました。

*1遺骨がないから永代供養しなくて良いということではありません。遺骨は故人の抜け殻であり、位牌は故人の魂が宿るところとされていますので、遺骨がなくても位牌があれば寺院に持って行き永代供養してもらえます。


3.今は遺体は火葬場(斎場)で火葬されますが、火葬が主流になる前は土葬(遺体を棺に納め土に埋葬すること)でした。前回の投稿と今回の事例に共通する点(遺骨がない共通点)は、土葬で70年以上経過していたことです。土壌の微生物が長い年月をかけて、棺・遺体を分解し土に還ったことが考えられます

 現代の火葬された遺骨はリン酸カルシウムという水にも土にも分解されにくいものに変化します。仏教国であり伝染病や土地問題で普及した火葬ですが、現在のコンクリートのカロートを基礎とするお墓や陶器でできた骨壷に納めた遺骨は数十年経過してもほとんど変わりません(変化しない)。また日本の火葬場では一般的にステンレス台に棺を載せて火葬することが多いため六価クロムが生成されてしまう確率が高いそうです(六価クロムは有害物質でアスベストと並ぶ二大発がん性物質)。まして六価クロム除去がされていない遺骨を海洋散骨するなど、海水は量が多いとは言えSDGsには程遠い、環境汚染にならないか危惧されます。*六価クロム除去を行っている散骨業者もありますが、どこまで、またはどのくらい行われているのかは規制もなく不透明です。


4.アメリカのワシントン州で2019年4月に可決された堆肥葬(人間の遺体を微生物によって栄養豊富な土に変える)はご存知でしょうか?世界中で墓地の土地不足が深刻化していますが、堆肥葬であればお墓は必要なく土地不足を解消し、環境に優しく、自然も汚さない画期的な方法です。費用は7,000ドルからとなっています。

 アメリカのある企業は既に堆肥葬を行っており遺体は56日~84日で堆肥へと変わるそうです(骨はこの期間で土に変えることが出来ないため自然を利用した別工程でゆっくり分解されるとのこと)。土葬で自然に還るまで70年かかることを考えるとかなりのスピードです。今後日本で認可されたら、名ばかりの樹木葬より自然の一部として循環する堆肥葬は需要が拡大するかもしれません。費用は気になりますが・・・。

 

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