国民の祝日である春分の日と秋分の日ですが、この時期をお彼岸と呼ぶのはなぜでしょうか?由来や風習などを見ていきましょう。
1.春分の日とは
2.秋分の日とは
3.お彼岸とは
4.ぼた餅とお萩
1.春分の日は、自然をたたえ、生物を慈しむ日として1948年に法律で国民の祝日となりました。それ以前は春季皇霊祭という国家の祭日で、宮中で神霊を祀る儀式が行われて
いたそうです。
2.秋分の日は、先祖を敬い、亡くなった人を偲ぶ日として同じように祝日となりました。それ以前は秋季皇霊祭という祭日で、同じく宮中で儀式が行われていました。春分の日と秋分の日は毎年同じ日ではなく、今年はそれぞれ3月20日、9月22日ですが、地球の公転のズレなど天体の運行によってその年々で日時が変わります。詳しくは国立天文台の質問3-1)何年後かの春分の日・秋分の日はわかるの?を参考に。
3.お彼岸は日本独自の風習で、春分の日、秋分の日をそれぞれ中日にして前後3日の7日間を言います。お彼岸は、サンスクリット語で「パーラミター(波羅蜜多)」の漢訳 至彼岸(トウヒガン)が由来と言われています。仏教では三途の川を挟んで、西側はお釈迦様がいらっしゃる彼岸、東側は現世の此岸(シガン)とされ、太陽が真東から昇って真西に沈むとされる春分の日と秋分の日は、彼岸に通じる最短の日で、そのため、先祖を供養するための特別な日とされています。また古来より、春に種を巻き秋に収穫することが春分の日や秋分の日の頃に行われることから、自然の恩恵に感謝する日でもあります。この先祖供養と自然崇拝をあわせた大切な時期として現代にも引き継がれています。このお彼岸の先祖供養は古くは平安時代から行われていたそうで、寺院ではこの時期に彼岸会(彼岸法要)が多くの場所で行われます。
4.春のお彼岸はぼた餅、秋のお彼岸はお萩と、違いは分からなくても大好きな方は多いのではないでしょうか。諸説あるそうですが、春の牡丹がさく季節の食べ物→ぼた餅、秋の萩の花がさく季節の食べ物→お萩となったようです。同じ食べ物ですが、餡に違いがありますね。ぼた餅はこし餡、お萩は粒餡で、秋に収穫したての小豆は皮が柔らかいのでそのままお萩の粒餡となり、春まで保存していた小豆は皮が固くなっているのでぼた餅にはこし餡をとなったそうです。ではお彼岸にはなぜぼた餅やお萩をお供えるのかというと、昔から小豆の赤い色は厄除けを意味していたそうで、砂糖が貴重な時代では小豆の甘い餡はごちそうであり、仏様やご先祖へお供えし、またはお彼岸に集まった親族と一緒に食べたそうです。
今年も秋のお彼岸はもう直ぐですね。
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